斥候日誌24.1215-3 遭難バイノーラル

(前回からのつづき)

鉄塔を越えた先のピークから飯能アルプスを外れて今度は屋船山へ向かいます。途中まではよくある人通りは極端に少ないけど歩き易く明るい尾根道がつづきますが、屋船山に近付くと共に直登に近い道筋がよくわからない道へと変貌してゆきます。登るのも足場が悪く危ないのですが、登り切って再び戻る方が滑り落ち易いであろう行程なので進みます。

途中までは明るくて良いんですけどね、とにかく屋船山ピーク直前が微妙なんですよマジで。

屋船山山頂。明るいけれど景観まるで無し。今はまだ凍結や積雪も無くて良いのですが、気象環境が悪かったらヤバそうな雰囲気アリアリです。特に長居する理由も見つからないので、戻るか進んで下山するか悩んだ結果、今後はたぶん来る理由も無い事から先に進み降りる事にしました。

進み降りて廃道に出たまでは無難な下山なのですが、ここから左の東吾野方面に行くか、右の少し遠回りになるけど武蔵横手方面に行くかで運命がわかれました。後々知ったのですが、ここは左ではなく右に進む方が安全らしい・・・

左に進む事を選択して進んだ結果、道は荒れて自然に還り、いつの間にか獸道すらわからない斜面に。大きな熊でも寝てそうな穴はあるわ、流れ崩れる柔らかい土砂斜面を降りて枯れた川づたいに降り進むと断崖絶壁の枯れた滝。見下ろそうにも足場が浮いていて体重乗せたら崩れ落ちそうな絶壁を左右に避けても足場の悪さからやはり滑落するだろうし、かといって登り返しも道が無い状態。「現在位置がわからず、見つけた川に沿って下るのは悪手だ」と言う遭難回避指南は本当ですね、ここは再び登る事にしました。…道の無い傾斜ですから足を置くと崩れ落ちるので腕力だけで無理矢理直登して、なんとか荒れ果てた山道?らしき道から平地に降りる事が出来ました。

…西吾野の本陣山に直登した時以上にヤバかった。

今年に入って遭難や熊襲撃の恐怖を間近に感じたのはこれが三度目。特に廃道がいつの間にか無くなって四方八方方向感覚が無くなるのは本当にヤバいですね。里山近くとはいえ、やはり土地勘のない場所では引き返しすのが一番かと感じました。ホント、抜けるのに一生懸命で、この地点の写真なんて撮ってる余裕無し。明るい時間帯でなかったらパニックだったかも。

一回目は足場が悪く砂山のような傾斜で滑る滑る、しかも熊穴的なものがあり怖い怖い。二回目は人が踏み入った形跡は新しいものの、枯れすすきで再び滑る滑る、しかも降りきっても道に出られるか不明で、戻るにも登りきれるか微妙で。
…知った場所に出た安堵感ったらない、ああ戻ってこれてよかったと言う感じ。不動岩までは順風満帆だったんだけどなぁ。…とか考えながら、みたらし団子食べ歩きへと向かった今回の斥候でした。

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